板金製作

板金製作

板金製作とは、金属板を切る、穴をあける、曲げるなどの工程を経て製品や部品を作ることを言います。

使われる素材は様々ですが、用途に応じて主に鉄、ステンレス、アルミニウムなどが使われます。板金加工の大筋の流れは、図面展開、抜き加工、バリ取り、タップ等の加工、曲げ加工、溶接、仕上げの順に行われます。ちょうど折り紙や紙工作と同様の作業であり、折り紙、紙工作の素材が紙から金属に置き換わったものと考えていただければイメージしやすいかもしれません。金属なので手で曲げる、糊で固定するなどが出来ないために、工作機械を用いて加工をしています。

紙工作が比較的自由な形を製作できるのと同様に、板金製作はさまざまなニーズに応えることが出来ます。また、プレス等の金型を使って成形する製品と比較して数量の調整が利きやすい、いわば小回りの利く加工方法です。

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一般的に板金製作は主に「自動車」「建築」「機械」のカテゴリに分かれますが、共栄産業ではこれら板金製作のなかでも特に「精密板金」製作を行っています。共栄産業の設備と協力工場で補い、幅広い加工に対応する仕組みでお受けいたします。共栄産業の主要設備はこちら

加工内容 対応可能な板厚
タレパン・プレス加工 0.3mm~4.5mm
レーザー加工 0.1mm~12mm(SS)/9mm(SUS)
曲げ加工 ~12mm/~9mm(SUS)
取扱素材
SECC(電気亜鉛メッキ鋼板)、SPCC(冷延鋼板)、SPHCなど
アルミ合金 A5052など
ステンレス鋼 SUS430、SUS304など
その他素材 リン青銅、真鍮など

加工の流れ

図面展開

図面イメージ

一般的な流れではお客様より図面をいただき、必要ロット数、工数、納期などを勘案して担当営業が御見積もりを作成致します。図面は以下のデータ形式か、FAX等の紙図面でいただくことでも御見積が可能です。

加工方法をコスト等を勘案しながら共栄産業で検討します。図面が無い、図面が引けない等の場合でもご対応可能です。

製品として量産をお考えの場合には、もちろん量産の部品を直接ご注文いただくことが可能ですが、量産前の試作品製作の御見積も出来ます。試作することで実物製品での構造確認、品質確認が可能になりますので、製作の実績の無いものについてはまず試作されることをお勧めいたします。

ご注文いただいた時点で共栄産業で加工を開始します。加工方法に応じて詳細な図面を御支給いただくことがあります。データ化された図面があると納期短縮につながりますのでお勧めです。

3Dネイティブ
SolidWorks *.sldprt *.sldasm
3D中間ファイル
STEP *.stp
Parasolid *.x_b *.x_t *.xmt_txt *.xmt_bin
IGES *.igs *.iges
ACIS *.sat
Pro/ENGINNER *.prt *.asm *.xpr *.xas
UGII *.prt
2Dネイティブ
AutoCAD *.dwg
2D中間ファイル
DXF *.dxf
2D画像・ベクター形式他
TIFF *.tif
BMP *.bmp
PDF *.pdf
Illustrator *.ai
Photoshop *.psd
PostScriptEPS *.eps

抜き加工

加工イメージ

タレットパンチプレス、レーザーによる穴加工及び外形形状の打抜き加工をします。タレットパンチプレスでは複数の形状の金型を使い、NC制御による図面要求通りの精密板金加工をします。外形が複雑な物やカット端面のバリ、キズ等の管理が必要な精密板金についてはレーザー加工機による穴及び外形のカット加工をします。

共栄産業のタレットパンチプレスはACサーボ・ダイレクトツインドライブ搭載タイプ、エアジェットバキュームによるカス上がり対策されたものですので、高品質と生産性を両立した精密板金をご提供できます。

共栄産業のレーザー加工機は従来の加工機と比較して、薄板の加工速度を最大約20%向上しています。従来機種より素早い加工でレーザー加工のコストダウンを図れます。ステンレス等の切断面に焼け等の変色がない窒素加工をはじめ、酸素加工、エアー加工すべてに対応しております。

前加工

加工イメージ

抜き加工を終えた精密板金は、加工方法によって切断面にバリが発生する場合もあるため、必要な場合にバリタック(バリ取り機)、バレル研磨やヤスリ等を用いてバリを取り除きます。そののち、

  • ネジを止める穴にネジ山を作るタッピング加工
  • 板厚の薄い製品にネジ山を施すために、ネジ穴周辺を持ち上げるバーリングタップ加工
  • 皿ネジ(皿頭ねじ)を使用するために、穴周辺を斜めにカット(座繰り)する皿穴の加工
  • スペーサーを筐体に直接取り付けるクリンチング、溶接スタッドの加工
  • スペーサー等を設けずに意匠を崩さず取付部を設ける、強度確保の目的などの絞り加工

等を行ないます。必要に応じて製品に形状や条件など製品に合わせた適切な冶具を製作して安定した精密板金づくりを目指しております。

製造工程によってこの工程は前後することがあります。

曲げ加工

曲げイメージ

製品が立体形状になる場合には、平板材を折り曲げていく工程を行ないます。折り紙や紙工作と同様の工程です。

プレスブレーキ(ベンダー)により、抜き加工をした平板材を図面の指示に応じて適切な角度に折り曲げ成形していきます。共栄産業の曲げは主に直角を基本に、鋭角、鈍角での曲げはもちろん、曲げ部にR形状を付けた加工、端面を保護する目的で行なうあざ折(ヘミング)加工、階段状に曲がる段曲げ等々、多様な曲げに対応しております。精密板金の曲げに精通した経験の豊富な熟練工による加工と、NCベンダーによる曲げ加工データ管理により安定した高品質な曲げ加工を行っております。

溶接加工

溶接イメージ

製品によっては、曲げ加工により成形した板同士、複数の部品で構成された精密板金があります。その場合には溶接によって組み立てます。板の材質・板厚、組立形状(接合形状)などにあわせて適切な溶接方法(突合せ溶接、隅肉溶接、点付け溶接、スポット溶接など)により溶接を行います。

溶接の品質、すなわち完成部品の品質の良し悪しは溶接加工者の技量に左右される要素が大きい工程です。共栄産業では経験豊かな熟練した専門の溶接加工者が加工しておりますので、安定した品質はもちろんのこと通常困難といわれるような溶接にも積極的にトライいたしております。

溶接加工後に必要な場合にはグラインダー等で仕上げを行います。肉盛り溶接部や溶接により発生した凹凸部分を適切な研磨機や仕上げ工具によって溶接面を仕上げ、同時に溶接焦げを除去します。仕上げ工程は部品外観に直接影響しますので、加工者の技量に左右される工程です。こちらも溶接同様、経験豊かな熟練工によって加工しておりますので、安定した品質を維持できます。

表面処理

印刷イメージ

板金のままでは表面に変質を生じてしまう材質(鉄、アルミ等)のサビ防止や外観の仕上げなどの目的で、板金にメッキ、塗装、酸化皮膜処理(アルマイト処理)、サンドブラスト加工、バフによる物理研磨、電解研磨など様々な表面処理があります。共栄産業では協力会社のネットワークを使った多種多様な表面処理に対応します。

操作盤や制御盤などの板金では、設定項目等を直接書き込むことがあります。また筐体等においては塗装と同時にメーカーロゴや機器名等をいれる要求もあります。これら文字やロゴ等を入れるためのシルク印刷や彫刻を行うことができます。

組立
組立イメージ

複数の部品点数から構成される精密板金など、組み立てが必要となるような精密板金についてはすべての工程が終了した時点で、リベット止め、ビス止めなどによる組み立てを行います。

共栄産業では、組立を一括で行なう環境を整えており、全ASSY、半ASSYの状態での製品お渡しが可能です。組み立てに必要なおります。

検査・納品

検査イメージ

共栄産業では図面を元に必要な最終検査を行ないます。検査(仕上がり寸法、数量など)、作動の確認を行ないます。最終検査の前にも上記工程の度に必要な検査を随時行っております。

検査が問題無いと判断された時点で出荷の準備をします。出荷の際には製品がお客様のお手元に届くまでに、キズ、破損等の発生しない状態で梱包します。

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